【賃貸の騒音対策って何がある?】業界歴10年・契約実績1000件越えのプロが徹底解説!

賃貸の騒音対策について、業界歴10年・契約実績100件越えの宅建士である筆者が徹底解説!

「上の階の足音がうるさい」「お隣の笑い声が耳障り」「逆に子供の足音がうるさいと言われてしまった」などなど…

騒音トラブルの悩み相談は尽きません。最近ではテレワークの影響もあって、件数は増加しています。

この記事を読めば、そんな悩みを解消できます!ぜひ最後までお読みくださいね!

「上の階の足音がうるさくて、夜眠れない」
「お隣の笑い声が耳障り」
「逆に子供の足音がうるさいと言われてしまった」
このようなお悩みはありませんか?
アパートやマンションと呼ばれる「共同住宅」には騒音トラブルはつきもの。
1度でもお住まいになったことがある人なら、多少なりとも経験があると思います。
普段はあまり意識しないかもしれませんが、

日常生活には

「話し声」「笑い声」「足音」「テレビ」「音楽」「お風呂」「トイレ」「洗濯機」

など

さまざまな生活音であふれています。
さらに2019年末以降のコロナ禍による「テレワーク」の普及により
騒音トラブルの相談件数は増加傾向に。
警視庁が受理した騒音に関する通報は、
なんと約3割近く増えたという情報もあります。
会社員の方からすれば、これまで会社に行っていた昼間の時間帯に家にいると、
子どもの足りまわる足音や騒ぎ声、泣き声に驚くことでしょう。
反対に、テレワークでの電話や会議の話し声がうるさいと思われているかもしれません。
共同住宅に住む人であれば切っても切れない「騒音トラブル」について
この記事では下記3つのフェーズに分けて対策を記載いたします。
対策①部屋探し中
対策②入居後(自分の出す音)
対策③入居後(他人の出す音)
あなたの抱える騒音トラブルの悩み

きっとお役に立つと思いますので、

是非さいごまでお読みいただければ嬉しいです。

業界歴10年・契約実績1000件越えの現役宅建士がお答えします!
『おとり物件調査』はこちら!(所要時間1~2分)

 


筆者の実体験

まず筆者の「騒音トラブルの実体験」をご紹介します。
5年ほど前、横浜のマンションに妻と2人住んでいたときの話です。
その物件は「鉄筋コンクリート造」「分譲マンション」「1LDK」でした。
当時はすでに不動産屋として5年ほど働いていましたので、
「防音性」についてはしっかり重視して物件を決めたつもりでした。
しかし、引越しをして数ヶ月後

「ドンドンドン!!!」

と明らかに異常なほどうるさい足音が天井から聞こえてきたのです。

横の壁と同様、天井もコンクリートがしっかり入っていて
叩いても空洞の箇所はありません。
その足音(というかじだんだを踏んでいる?)は
深夜から朝方(2~5時くらい)にかけて、発生するようになりました。
そして、それがさらにエスカレート

恐ろしい事に

「女性の叫び声」

が聞こえるようになったのです。

言葉までは聞き取れないのですが
何かに怒り狂っているような、怒鳴り声のような声です。
妻によると、恐らく上の階の住民は「40~50代の単身女性」
挨拶をしても無視するような、暗い雰囲気の変わった印象の人だったとのこと。
めちゃくちゃ怖くないですか?笑
ですが私も若かったので「直接苦情を言いに行く」と部屋を出ようとしたのですが
妻に引き留められました。
確かに私がいないときに妻に何かあったらこわいなとも思い、なんとか我慢をできました。
そこで管理会社に相談したところ
「何号室からのクレームかは分からないようにチラシを入れてもらいます」とのこと。

すぐにチラシも投函してくれたのですが、まさかの効果なし。

足音・叫び声・怒鳴り声は続きました。

すこし考え方を変えて

「もしかしたら自分たちがうるさいから、反撃されているのかも」と思い
話し声やテレビの音量を小さくしたりしましたが、これも効果なし。
引越しするまでの「約2年間、ガマンをし続けることに」なりました。
不動産屋としては、「コンクリート造、分譲マンションであれば防音性は心配ない」と思っていたので
とても良い経験になりました。(ストレスが大きすぎましたが…笑)
今回の記事を書いていて、いま思えばもっとできることがあったなと思います。

このように私も散々な目にあっています(泣)

皆さんの気持ちはよく分かりますので、

ぜひお役に立ちたいという気持ちで執筆いたしましたので

ぜひ最後までお読みください。


音の種類

まず、はじめに音には下記の2種類があることを知っておきましょう。
「空気音」
空気によってつたわる音。
話し声・テレビ・楽器など。
ドア・カーテン・ドア・壁・床などの障害物が多くなればなるほど
距離が遠くなるほど減る。
「固定音」
床や壁を振動させて伝わる音。
壁を叩く音・足音・イスを引く音など。
壁が厚くても、防振ゴムを床に施工していても防ぐのが難しい。距離も関係がない。
筆者が悩んでいたケースでいうと
足音➡固定音
叫び声➡空気音
になります。
空気音についてはコンクリート造では聞こえないことが多いのですが…
どれだけ大声で叫んでいたのだろうと、今思い出しても不気味です。。笑

騒音の種類

続きまして、家庭生活における「騒音の種類」について知っておきましょう。
電気機器(23%)
楽器・音響機器(9%)
声・足音・給排水音(13%)
ペット(11%)
アイドリング(事業系含む)(22%)
その他(22%)
()内のパーセンテージは、苦情件数に対する割合です。
※出典:環境省「騒音規制法施行状況調査」
テレワークの電話や、オンライン飲み会の話し声なども増えているので
声の割合が上がるのではないかと思います。
また、原因は
「人によるもの」
「物件によるもの」
に分かれますので、その点も念頭に置いておきましょう。

物件構造の種類

最後に一番重要な「物件構造の種類」をご説明します。
ここはとても大事なので、よく覚えておいてください。
物件構造の種類は以下のとおり。
構造
防音性
呼ばれ方
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)
マンション
鉄筋コンクリート造(RC)
マンション
鉄骨造(S)
マンション
軽量鉄骨造
×
アパート
木造
××
アパート
※防音性の感じ方は個人差があります。
あくまで目安なので、「SRCだから絶対に静か」ということでもありません。
前述のとおり「鉄筋コンクリート造」に住んでいても、
筆者のようなトラブルに合う可能性もぜんぜんあります。
防音性が高い構造ほど「空気音」は防ぎやすくなりますが、
固定音を防ぐには限界があります。
ただ、明らかに木造や軽量鉄骨造と比べると
トラブルに合う可能性は低くはなります。
また、表のいちばん右にも書きましたが
「マンション=コンクリート造」ではありません。
鉄骨造(S造)はマンションと呼ばれますが

コンクリート造ではないので注意が必要です。

マーブル
「ここからメインコンテンツに入ります!以下3つの状況にあわせて対策を記載してますので
ご自身のお悩みに該当する箇所をお読みくださいね!」

対策①部屋探し中(他人の出す音)

なんと言っても、部屋探しの段階から対策をするに越したことはありません。
これからお部屋探しをする予定で「防音対策をしっかりやりたい」という方は、是非参考にしてください。
「物件選定時」と「内見時」に分けてご紹介します。
【物件選定時の対策】


「コンクリート造の物件を選ぶ」

コンクリート造(RCもしくはSRC)の物件を選ぶようにしましょう。
まず基本はこれです。無音になる訳ではありませんが、空気音への効果は大きいです。

「築浅物件を選ぶ」

例えば木造でも、古いより新しいほうがまだ防音性が高くなります。
素材の劣化もそうですが「建築技術」「設計」も日々進化してますので、
新しい物件のほうが総じて防音性は高いです。

「階数は1階もしくは最上階、そして角部屋」

これは状況により変わるのですが
お子様がいる家庭など「自身の音を気遣いたい方は1階」
単身者など「自分より、周りの音の対策をしたい場合は最上階」がおすすめです。

角部屋は隣室を減らせるので、これも対策になります。


「賃貸より分譲賃貸を選ぶ」
やはり分譲賃貸のほうが、造りが良いことが大半です。

可能であれば分譲賃貸を選ぶのが良いと思います。


「二重窓の物件を選ぶ」
幹線道路沿いや線路沿いの物件で騒音対策する場合は、

二重窓の物件を選ぶようにしましょう。空気音の聞こえ方が全然違います。


「戸建てを選ぶ」
これが出来ればほぼすべて解決できるかと。
戸建てがつながっている「テラスハウス」も悪くありませんが
結局お隣さんの階段を昇り降りする足音がうるさい、などの苦情はよくありますので

戸建てをおすすめします。


「周辺環境を確認する」
道路や線路沿いではないか、学校が近くにないかなど

音が気になりそうな施設や街ではないかを確認するようにしましょう。


「〇〇専用の物件を選ぶ」

楽器専用・ペット共生物件など、専用の物件を選べば騒音トラブルはかなり防げるでしょう。


「居室同士が隣り合っていない部屋を選ぶ」
間取り図ではなく「平面図」を確認して
隣室とのあいだに「収納」「キッチン」「階段」などがある部屋を選びましょう。
【内見時の対策】


「壁をノックして厚さを確認する」

ノックしたときに音が響くようだと危ないです。逆に、コぺちぺち叩いている感覚で

音が響かない場合はコンクリートが入っておりますので、防音性は期待できます。


「部屋の中心で手をたたく」

音が響く場合は防音性が高く、響かない場合は防音性が低いです。


「静かにして耳を澄ます」

これでうるさければ、当然注意が必要です。


「夜に内見させてもらう」
街が静かになるので、昼間より夜の方が音はよく聞こえます。
騒音トラブルも大体深夜~朝方にかけてなので、出来るだけ遅い時間帯でもチェックできれば安心です。
その際、他の部屋の窓の明かりがついているかもチェックしましょう。
他の住民の生活リズムの予測になります。

「過去に騒音トラブルがあったか確認する」

不動産屋に質問しましょう。

もしトラブルがあった場合は、防音性が低いもしくは危険な住民がいる可能性が高いです。


「共有スペースが荒れていないか」
エントランスにチラシが散乱している、駐輪場の自転車が倒れてたりしている
これは要注意。住民の特性を表している可能性があります。

「掲示板を確認する」

共用部分の掲示物を確認して騒音トラブルの貼り紙がある場合は要注意。
くわしい内容を不動産業者に確認しましょう。

「どんな人が住んでいるか質問する」

詳細は教えてくれないと思いますが、「世帯」「単身」などざっくりとは教えてくれると思いますので
そこから「賃料」「エリア」「間取り」を加味して、推測しましょう。

「部屋数の少ない物件を選ぶ」

例えば20部屋より6部屋のアパートの方が隣り合う部屋が少ないので、防音面では安心できる可能性が高いです。
このように部屋数も対策のひとつとなります。
みるく
「部屋探しのタイミングでも、出来ることがたくさんあるんだね!」

対策②入居後(自分の出す音)

入居後には、自分自身で出す音にお悩みの方も多いと思います。以下対策をまとめてみましたので、ご覧ください。

洗濯機、冷蔵庫 → 防振、消音マットを敷く。洗濯機は使用時間をできるだけ配慮しましょう。
掃除機 → 使用時間をできるだけ配慮しましょう。
給湯器やエアコンの室外機 → (もし音がうるさいようなら)管理会社に相談しましょう。
話し声 → 家具を隣部屋に接する壁に設置する。時間は配慮した音量で話す。
足音 → カーペットやラグマットを敷く。スリッパを履く。
ドアの開け閉め → 隙間テープなどの緩衝材を貼る。出来るだけ静かに開け閉めする。
給排水音 → シャワーや入浴など、できるだけ深夜は避ける。
テーブル、イス → できるだけ引きずらないようにする。脚に消音材を貼る。
テレビ・音楽 → なるべく小さくする。隣部屋と接している壁には置かない。深夜などはイヤホン等を使用する。
楽器 → 演奏時間を配慮する。防音ブースを設置する。
ペットの鳴き声 → プロのトレーナーにしつけしてもらう。
マーブル
「ほかには、となりの部屋に隣接する壁に段ボールを敷き詰め、家具と挟むと防音壁に近い効果があります。
ご参考までに!」

対策③入居後(他人の出す音)

ここが知りたい人が多いのではないでしょうか!
冒頭にも書かせてもらいましたとおり
筆者も散々な目にあったことがあり、気持ちは良く分かります。
その経験をもとに対策を紹介させていただきます。
そもそも前提としてですが
「騒音トラブルって法律による規制はないんです!」
基本は自己対処しかないので、一緒に頑張りましょう。
【NGなこと】
まずはじめに、以下のことは絶対NG。やめましょう。

「直接怒鳴り込みに行く」
これは絶対にやめてください。とんでもないトラブルに発展する可能性があります。
もっとストレスがかかる事態になりますので、ここはグッと我慢してください。
「勝手にDIY/工事をする」
賃貸物件の場合は勝手にDIYや工事するのは禁止されています。
もし許可なく行ってしまうと、巨額の回復費用を請求される可能性や
契約解除されてしまう可能性がありますので、やめましょう。
【対策例】


「管理会社に相談する」

まずはこれをしてください。
管理会社はいくつも物件を管理しており
騒音トラブルの対処ノウハウも持っていますので
まずはここを頼りにしましょう。
このときに実際の騒音の録音データなどがあるといいです。
スマホだとほとんど聞こえないので、レコーダーを購入することをおすすめします。
「相手に身元がばれてしまわない?」と思う人もいると思いますが
そのあたりはうまく隠して対処してくれるはずです。気になる人はその心配を伝えましょう。

「家具の配置を変える」
例えばとなりの部屋がうるさい場合、「隣接する壁に家具を配置する」
寝る時にうるさい場合は「ベッドを壁から離したり、頭の位置を変えたりする」
これだけも効果を得られる場合があります。試してみてください。

「自作の防音壁をつくる」

・背の高い家具を壁に並べて配置して、中身を詰め込む
・壁と家具のあいだに段ボールをはさむ(卵の紙容器でもOK)

「グッズを駆使する」
・耳栓 → シンプルに自分の耳を塞ぐという対策です。笑
・ノイズキャンセリングイヤホン → 最近は技術の進化で、ほとんど外の音が聞こえなくなります。
・ホワイトノイズマシン → 雑音を作り出す機会です。ノイズはYouTubeにもあったりするので試してみてください。
・防音カーテン、シート、ライナー → 防音加工されているもので、かなりの音を吸収するものあるみたいです。
・二重窓 → 外の音が気になる方はおすすめ。工事不要で取り付けられるものもあるようです。
マーブル
「ちなみに筆者は読書するときなど集中したいときは、ノイズをイヤホンで流しています。
 とても集中できるのでおすすめですよ!」

「まず自分が静かにする」

私が騒音トラブルをしているときにふと気づいたのがこれ。
「もしかしてこちらがうるさいから仕返しされている?」と。
もし心当たりがある方は、まず自分が騒音元になっていないか注意して、改善しましょう。

以上です。

マーブル
「中には「直筆手紙を書いて投函したら、一気に解決した!」という方もいました。
 しかしトラブルに発展する可能性があるので、「どんな相手なのか」「文章内容は配慮されているか」
 など充分注意する必要があります」

まとめ

いかがでしたか?
いくつか使えるものはありましたでしょうか。
筆者もプロの不動産屋でありながら、
妻と一緒に散々悩んだ経験がありますので
みなさんの気持ちがよく分かります。
ほんと辛いですし、イライラしますよね。
今回ご紹介した対策が
少しでも皆さんの騒音トラブル解決の一助になれば
それほど嬉しいことはありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

毎朝7時に、部屋探しに役立つ情報を発信中!